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−宇佐市長洲(ながす) 豊前海−

シャコ(蝦蛄)

Vol.28
 宇佐市は、全国4万余社にもおよぶ八幡社の総本宮である宇佐神宮をはじめとした歴史のまちという顔を持つ一方で、前に豊前海、後ろに宇佐平野という豊かな食の倉庫という顔も見せてくれます。
 今回は豊前海の幸の一つである「シャコ」をご紹介します。宇佐地域では長洲漁港等から水揚げされています。

 長洲漁港を母港として活躍されている大分県漁業協同組合青年部宇佐支部長の藤本成行(48歳)さんを訪ねました。
 
 「漁師になって30年になる。豊前海は子供のころは遊び場、それが今では仕事場になった。豊前海は遠浅で多くの魚が産卵に来る場所なので、底引き網には、四季折々にいろんな魚が入る。シャコは、子どもの頃、浜に殻の山がいくつもできていたのを思い出す。最近では捕れなくなり、今の時期は、1回の漁で2〜3キロ程度しか捕れない。シャコの美味しい時期は、4月から5月(梅雨に入るまで)の産卵前と、9月から10月の脱皮前。春は普通の底引き網を使い、秋は水温が冷たいことから、シャコが泥の中に潜っているので、網に金枠が付いた『ケタコギ』で海底の泥を削るように網を引いて捕る。」

 藤本さんは、漁協青年部としても地元の活性化に汗をかいています。
               
「魚を安く喜んで食べてもらおうと、15年ぐらい前から5月から9月までの5ヶ月間、毎月、最終日曜日の朝8時から青年部主催で漁協の市場で朝市を開いている。多くの人が来てくれ元気をくれる、ありがたい。売り切れゴメンなので、その際はご容赦ください。」

 藤本さんから話を伺って、豊前海の豊かな幸を感じるとともに、朝市に行ってみたくなりました。

 伝承料理研究家の金丸佐佑子さんに豊前海で捕れたシャコを使ったお薦めレシピをご紹介いただきました。
 「40年以上も前のことです。友人が東京に嫁ぎました。里帰りした彼女の第一声が”東京ではシャコを寿司屋で食べるのよ”でした。当時私の周辺には江戸前の寿司屋なんてありませんでしたし、勿論、行ったこともありません。どんな風に食べるのか、想像すらできませんでしたが、荒っぽい茹でたシャコを縁側でこびる(間食)に食べる私たちと東京の人の食べ方は違うのだということだけは分かりました。私は生来の無精者でしたから、殻を剥くのが面倒くさい、臭いが指先に残るのも苦手等から、味は良いのですが、シャコは好きな食材ではありませんでした。その長年の苦手食材の解決策がシャコ汁の誕生となったのです。殻を剥く必要もなく、指先に臭い匂いが残ることもなく、難しい出汁もいらない。最近は漁獲量も減少していますから、この食べ方が一番。難点は鮮度が求められることでしょうか。是非、多くの人に味わっていただきたい一品です。」
 
■シャコ汁
[1]シャコを洗い、皮付きのまま水を加えてすりつぶす。
[2]すりつぶしたものをザルでこす。
[3]沸騰しただし汁を調味し、青菜の小口切りを加え、
その上に、すりつぶしたシャコを回しかける。
[4]シャコが固まったらできあがり。吸い口に柚子ご
  しょうを添える。
<材料4人分>
  シャコ(皮つき)・・・200g
  水・・・少々
  だし汁・・・600ml
  (水に薄口しょうゆを適宜)
  青菜・・・適宜
  柚子ごしょう・・・少々

 総合監修 金丸佐佑子(平成20年4月)

長洲漁港から豊前海を臨む

藤本成行さんと愛船・大力丸

水揚げされたシャコ

シャコ汁

茹でたシャコ

船上にあるケタコギ

底引き漁

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