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国東市(くにさきし)

くにさき銀たち

Vol.35
今回は、鋭利な歯を持つ獰猛そうな顔立ちと相反し、体は銀色に輝く美しさで、刺身や塩焼にしても美味しいタチウオをご紹介します。

タチウオは、大分県の重要な水産資源で、平成18年の漁獲量は全国1位です。現在、漁獲量が減少傾向にあるため、大分県漁業協同組合では、「タチウオ資源再生協議会」を組織し、産卵海域での禁漁などにより資源の保護や回復に努めています。

漢字では太刀魚のほか、立魚と表記されることがありますが、太刀魚は銀色に輝く長い体が刀に似ていることから、一方、立魚は餌を狙って立ち泳ぎをする姿から名付けられたとする説があります。

タチウオは、韓国の特に済州島の名物として、多くの唐辛子やニンニクを入れて煮たピリ辛煮が代表的な海鮮料理となっているためか、良質な本県のタチウオが求められ、漁獲量の7割近くが韓国に輸出されています。
今日はそうした本県の良質なタチウオを「県内はもとより、全国に広めたい。」と漁に精を出す県漁協くにさき支店青年部長の末広 勲さんにお話を伺いました。

当地域でのタチウオ漁は、全国でも珍しく、夫婦船が全体の8割程を占めているとのこと。末広さんも今はご両親と漁に出ているとのことでしたが、奥様と漁に出る日もそう遠くない様子でした。
休漁日や時化以外は漁に出る末広さん親子は、朝の2時には出港し、船で1時間程沖合の漁場で6時間程の漁をし、帰港。同じ漁場でも船を着けた場所の善し悪しで漁獲量が左右され、出航した漁師間でも大漁もあれば、不漁もあるとのこと。

タチウオは、カミソリのような鋭利な歯を持つ一方、鱗のない体を覆う銀箔のグアニンという物質は、優しく扱わないと手の後が黒く残るほど繊細なため、怪我に気を付けると同時に、体表の銀箔が落ちないように扱う必要があり、一般の魚より扱いがとても難しい魚です。
当地域では、体表の銀箔を保護し鮮度を保つため、獲れたタチウオは、その都度、船上で箱詰めし、荷揚げ後はすぐに市場へ運搬するため、市場では「扱いが丁寧で物が良い。」と高い評価を受けています。

これから夏にかけて漁場が沿岸近くになり、肉厚で脂がのった型の良い物が捕れるため、地元では今から夏場が旬で、人気が高まります。
「タチウオは、刺身や塩焼は絶品だけど、煮付けや南蛮漬け、フライも美味しいよ。特に、カボスとはどんな料理とも相性がよいので、是非試してよ。」と話してくれました。

坐来大分では、6月16日からのメニューに、この良質で新鮮な「くにさきの銀たち」のお刺身をお楽しみいただけるよう準備しています。是非、ご賞味ください。(天候等により入荷がない場合もあります。)

〈伝承料理研究家 金丸佐佑子さんのお話〉

塩焼、カボス醤油におろし大根、我家の太刀魚料理の定番です。刺身、一夜干し、から揚げ、フライ、煮魚 どれも美味しいのですが、幼い頃から食べ慣れた塩焼が私には一番。

先日、友人と焼魚の話をしていましたら、「塩焼は美味しいけれど・・・・最近は苦手。昔のように外台所、七輪、炭火はない。システムキッチン、オーブン、電子レンジとなると少々無理。それに独特の匂いも残るし。」というのです。
台所に料理の匂いが、焼魚の匂いが残ったら困りますか。美術館や博物館のように無臭であったり、大手メーカーの作り出した全国統一規格芳香剤の匂いが素敵なことなのでしょうか。

我家の小さな換気扇はまかないきれず、いつも料理の匂いが充満しています。焼魚の匂いが充満しているとろこに訪問客があったとしても、料理や魚に話題が広がり、人間関係がぐっ〜と身近になりました。
太刀魚を代表とする我家の焼魚は今までたくさんのご近所付き合いを豊かにしてくれましたし、これからも続くことでしょう。

でも、最近は「坐来」をはじめとする高級料亭料理に格上げになったり、若い人のオーブン料理にと進化していますから、どんな話題へと変化するのか、話題の内容も人間関係もきっとスケールが大きくなることでしょうね、楽しみです。

総合監修 金丸佐佑子(平成21年6月)

3世代で漁をする清国さん家族

怖い顔と相反し、刺身をはじめ、焼魚・煮魚・フライ等どんな料理でも美味しいタチウオ

道の駅くにさき内にある漁協直営店「銀たちの郷」で人気の太刀重
「銀たちの郷」
〒873-0511
大分県東国東郡国東町小原2662-1
TEL 0978-73-2170
営業時間 8:30〜19:00
店休日 年中無休

タチウオの加工品(左から浜焼、かまぼこ、骨のから揚げ)

坐来大分メニュー「国東 銀太刀 背越し」

港内に並ぶ夫婦船・親子船

県漁協くにさき支店青年部長の末広さん

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