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豊後高田市

おおいた冠地どり

Vol.52
 今回は大分県の北部(国東半島の北西)に位置する豊後高田市香々地町(かかぢちょう)の高台で飼育されている「おおいた冠地どり」を紹介します。

 豊後高田市は、仏教遺跡の宝庫といわれる国東半島の一角にあり、富貴寺(国宝)、真木大堂(9体の仏像国重要文化財)など多くの文化財や、昭和30年代の町並みを再現した「昭和の町」など多くの観光客が訪れる地域です。

 取材にお伺いした株式会社 学食(がくしょく)代表取締役の雨川利沖(あめかわ としおき)さんは、「大分県は鶏肉の消費量が日本一、県内には、とり天、唐揚げ、鶏めしなど各地域に特有の鶏料理がある。こうした素晴らしい大分の鶏食文化を全国に広めたい。」との思いから、「おおいた冠地どり」の飼育等に携わるようになったそうです。

 雨川さんのお話では、「おおいた冠地どりは、大分県農林水産研究指導センターが全国で初めて旨味成分に優れた烏骨鶏(うこっけい)を掛け合わせた地どり、頭に鶏冠(とさか)がなく烏骨鶏と同じ「毛冠」があることから「冠地どり」と名付けられています。飼育期間は90日ほどで、肉質は適度に柔らかく、火を入れても硬く締まらず、旨味がありジューシーなので、子供からお年寄りまで幅広い年代層で喜んでいただいている。」とのこと。

 また、大分の鶏食文化を発展させるため、株式会社学食では、おおいた冠地どりを利用した新商品の開発に積極的に取り組んでいます。雨川さんのお奨めは「冠地どり一夜干し」、噛めば噛むほど特有の旨味が出て味わい深いそうです。

 こうした新商品も含め、おおいた冠地どりを多くの方に食べていただけるよう、全国の飲食店や百貨店等に売り込みを行うとともに、海外での試食会にも参加しています。こうした取組により徐々に認知度もあがり、昨年末に料理通信社が行った「第3回全国お宝食材コンテスト」において選定品に選ばれるなど、販路拡大が図られています。

 雨川さんは、「是非、県外の皆さんに大分県を訪れていただき、魅力ある観光と併せて本場のとり天・唐揚げなどを食べて欲しい。」と笑顔でお話していただきました。

 株式会社学食の皆さんが丹精込めて作り上げた「おおいた冠地どり」を、是非、坐来大分でご堪能ください。

■株式会社 学食
大分市賀来北2丁目13−3
TEL:097-549-0188
FAX:097-549-0187
http://www.gaku-shoku.com/

〈伝承料理研究家 金丸佐佑子さんのお話〉

 大分県は日本一の鶏肉消費県だそうです。改めてそう言われてみると、幼い頃から卵や鶏肉に慣れ親しんで来たように思います。私の周辺では殆どの家庭に鶏舎があり、十羽前後のにわとりが飼われていました。畑まわりのひよこ草(春の七草の一種はこべら)は、いたる所にありましたから、これを小さく刻み米糠と混ぜて作る鶏の餌作りは、私たち子どもの朝の仕事でした。産みたての卵は朝食の「卵かけごはん」や弁当の「玉子焼」になり、お祭りやお祝い、来客の時は産卵数の減った親鶏がさばかれて「とりごはん」「とり汁」「煮染め」になりました。その当たり前が各家庭からいつの間にか消え、大量生産の養鶏業者の手に渡り、簡単に卵も鶏肉も手に入る幸せな時代へと変化。私の育った宇佐市内にも沢山の養鶏場がありました。その結果が目下、ブレイク中の「とり天」「から揚げ」だと思います。
 「から揚げ」発祥の地「宇佐から揚げ」とから揚げの聖地「中津から揚げ」は全国を舞台にしのぎを削っています。惣菜売り場の一角にあるのではなく堂々の専門店としてチェーン店展開です。
 「から揚げ」ブームの火付け役は間違いなく大分の鶏食文化だと思います。我が家にも「から揚げ」用の秘伝のタレがあります。秘伝なんていうと、大仰ですが要は地元産の甘い醤油に自家産のにんにくを継ぎ足し継ぎ足ししているだけのことですが、孫たちにいわせると我家の味が一番とのこと。この「宇佐から揚げ」を考案した宇佐の中華料理店のご主人は、偶然にも教え子のお父様でした。きくところによると宮崎県の「とり南蛮」の考案者も大分県出身の方とか。

 大分にはまだまだメジャーデビューしていない鶏肉料理が沢山あります。一例が天領の地、日田市では一羽の鶏を生、あぶり、蒸す、焼く、煮る、炒める、酢和え等々、料理方法も多様なら足の爪と頭部以外は食べつくす文化があります。とさかの刺身やとり足の料理は、はじめての人は驚きますが実に美味しいのです。まだまだ県内デビューすら出来ていませんので、日田に行った時は必ず買って帰ります。

 他県では、○○鶏と生産地や飼育法で売り出していますが、大分では文化が前面に出ているところが面白い。ところが、いよいよ大分も食文化を背景に産地や味にこだわった冠地どりの本格的取り組みが始まっています。「大分の鶏肉食が名実共に日本一になる」と思うとわくわくしてくるのは私だけでしょうか。進化がとても楽しみです。

 今年の我家は、にんにくが豊作でした。秘伝のタレ作りに頑張らねばなりません。これも大分の鶏食文化を底辺で支えているつもりなのです。

総合監修 生活工房゛とうがらし˝金丸佐佑子
  (平成24年6月)

おおいた冠地どり

雨川さん(左)と生産者の榎本さん

おおいた冠地どり飼育場

おおいた冠地どり加工施設

富貴寺(国宝)

真木大堂・阿弥陀如来像(国重要文化財)

昭和の町

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