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豊後高田市

菜の花油、ひまわり油

Vol.58
 今回は、九州最大級の花畑、豊後高田市の長崎鼻リゾートキャンプ場で収穫された「菜の花油」をご紹介します。

 豊後高田市は、大分県北部の国東半島の付け根に位置しています。
 本年5月29日に豊後高田市を含む国東半島宇佐地域が国連食糧農業機関(FAO)の世界農業遺産に登録されました。本地域におけるクヌギとため池群によって持続的に維持されている日本一の原木しいたけ生産をはじめとする農林水産システムや六郷満山といった独自の文化、中世の景観を残す田染荘などの多くの貴重な資源が守られていることなどが高く評価されました。(今回の認定により登録地は11カ国25カ所。)

 取材にお伺いした長崎鼻B・Kネット代表 近藤哲憲(こんどうてつのり)さんのお話では、「長崎鼻は、県民にとって非常に身近なリゾート地でしたが、近年のレジャー施設の多様化などの影響により、来訪者が減少するとともに、農業者の高齢化等により同地区の耕作放棄地が目立ち、景観が損なわれていました。こうした状況を何とかしたいと思い、平成19年に地区の有志で「花いっぱい運動推進グループ」を立ち上げ、耕作放棄地を利用した菜の花、ひまわり、コスモス等による景観の再生運動を始めました。さらに、平成22年には、自立した地域振興及び地域での経済効果の循環を目指し「長崎鼻B・Kネット」を創設しました。今では、春に菜の花12ha(1,600万本)、夏にひまわり8ha(80万本、九州最大規模)、秋にはコスモスと四季折々の花々を楽しむことができます。また、これらの花々から搾油したオイルをふんだんに使用したレストラン「fiore(フィオーレ)」を平成24年4月にオープンし、来訪者に楽しんでいただいています。今後は、海水浴シーズンだけでなく、一年中皆さんに楽しんでいただけるよう、搾油施設や搾油体験施設などを今年度中に建設し、生産、加工、販売を一体的に行い、さらなる地域振興を図りたい。」とのこと。

 昨年12月には、こうした取組が高く評価され、農林水産省が食料自給率向上を目指して設立した「フード・アクション・ニッポン」流通部門にて、最優秀賞に輝いています。

 近藤代表は、「菜種は、純国産の「ナナシキブ」、搾油方法は、薬品を一切使用せず、一番搾りのみ抽出する圧搾法で、味わい深くコクのある風味が特徴です。使用していただいたお客さまからは、「独特の風味があり、大変美味しい。」などとても好評です。今後、家庭での普及を図るため、レストランで主婦が作れる料理を提案したり、搾油体験施設でお客さまオリジナルの調味料を作る際に、スタッフが適切に説明出来るよう「調味料ジュニアマイスター」の資格を取得させるなど、長崎鼻の魅力を向上させたいですね。」と楽しそうにお話いただきました。

 近藤代表が丹精込めて搾取した「菜の花油」を、是非「坐来大分」でご堪能ください。
 また、今年度、大分県内企業と「坐来大分」が連携して行う商品開発にもご参加いただいています。ご期待ください。

■長崎鼻B・Kネット
  豊後高田市見目4060番地
    TEL:0978-54-2200


〈伝承料理研究家 金丸佐佑子さんのお話〉

 祖母の得意料理に「精進揚げ」と「つけ揚げ」がありました。
 自家生産の南瓜やさつま芋、人参等に衣を付けて揚げたものが「精進揚げ」。地元の魚、キスや穴子、海老、イカ等に衣を付けて揚げたものが「つけ揚げ」。世間一般でいう「てんぷら」ですが祖母の中には明確な区別がありました。「てんぷら」は魚のすり身を揚げたものだそうです。いわゆる「さつま揚げ」のこと。

 日常食でもない。かといって非日常食でもなく、少し気合いの入った料理でしょうか。それを受け継いだ母の揚げ物料理には時々「菜の花畑に入り日薄れ〜」という女学校時代の愛唱歌を口ずさむ楽しさがありました。更にそれを受け継いだ私といえば全て「天ぷら」です。衣に味をつけたり、塩、生醤油で食していたものが、やがてウスターソースも加わり、田舎でもしゃれた「てんつゆ」へと変化しました。私は時々こっそり玉葱に衣をつけて揚げウスターソースで食べます。それが一番好きなのです。

 祖母や母の揚げ物料理には気合いや高揚感がありました。それはとりもなおさず貴重品の油を使用するということだからでしょう。昔は菜種を油に交換してもらう。現在の私はスーパーの油売り場に並んだ油の中から簡単に手に入れることが出来る。その差です。同時に作り手の分かる油から、品質表示に頼る油へと変化しました。大手製油メーカーだから信用がおけると思っていますが、その菜種油の原産地とか、どうしてこんなに安く出来るのかとか考えはじめると分からなくなります。

 先月5月29日、国連食糧農業機関より大分県国東半島宇佐地域が世界農業遺産に認定されました。ビッグニュースで本当に嬉しかった。私たちの住む大分には作り手や穫り手の分かる米や野菜、魚や肉が沢山あります。ありすぎて普通の生活を有難いと思う感覚がマヒしていました。本当の豊食とは何かを今回の認定は教えてくれたと思うのです。本物の豊食を大分から発信し続けたいものですね。

総合監修 生活工房゛とうがらし˝金丸佐佑子(平成25年6月)

菜の花油、ひまわり油等

長崎鼻B・Kネット代表 近藤さんと収穫前の菜種

春先の菜の花

初夏のひまわり

レストラン「fiore(フィオーレ)」

田染荘
(平安時代、鎌倉時代の集落や水田の位置がほとんど変わらずに残されている。)

富貴寺
(現存する九州最古の木造建築物であり、国宝に指定されている。)

夷谷(えびすだに)
(大分県の名勝に指定されるとともに、大分百景のひとつにも選定されている。)

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