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日田市津江地域

花ワサビ

Vol.68
 九州一のワサビ産地・日田市津江地域ではハウス栽培の花ワサビの収穫が2月から3月にかけて最盛期を迎えています。
 津江地域の清らかな水と冷涼な気候が良質なワサビを育み、ハウスワサビの他には杉・ヒノキを間伐した林間ワサビ、山奥の清流の地形を利用する沢ワサビがあり、三つの栽培方法により、収穫時期も異なります。

 取材にお伺いした、JA大分ひたわさび部会の佐藤学(さとう まなぶ)部会長は「現在、日田市内のワサビ生産者は  50世帯程で年間40から50トンを出荷し、ハウス栽培が約7割を占めています。加工品とは別に一次産品としての取引拡大に向けたPRに取り組みたい。」とお話されました。

 根をすりおろしたものを刺身に添えるのがワサビの一般的なイメージですが、新鮮な葉や茎、花も料理の主役になるとのこと。津江地域では独特のツーンとした辛さと香りのするワサビ漬けをどの家庭でも作っています。

 坐来大分では2月中旬からのメニューで、津江の花ワサビを楽しんでいただけます。他の料理と組み合わせると互いに引き立ち、心地よい辛さが何とも言えません。
 是非、ご堪能ください。


■JA大分ひたわさび部会 部会長
 佐藤 学 氏

日田市前津江町柚木2293
  TEL:0973-53-2607


〈伝承料理研究家 金丸 佐佑子さんのお話〉

 私が「花わさび」に出会ったのは、今から五十年前、高校の新任家庭科教師として、日田に赴任した時です。当時スーパーなんてありませんでしたから、買物は近くの食料品店でした。そのお店の店頭で白い小さな花をつけた野菜に出会ったのです。それが「花わさび」との出会いでした。
 好奇心にあふれていた若い私はお店の女将さんに矢継ぎ早に質問しました。野菜の名前、料理法、産地等々。

 野菜の名前は「花わさび」、料理は粕漬け、醤油漬け、だし漬けが代表的。美味しく作るには、辛味を引き出すために、わさびが腹をかく(腹をたてる)ように湯通しをしたり、ちぎったりイジメるとよい、産地は日田市の山間部にあたる津江であること等を教えてもらいました。
 刺身の薬味として根わさびは使っていましたが、花や葉を使用することはありませんでしたし、その存在すらわかっていませんでした。テレビも普及していない時代でしたからビジュアル的知識もなし。この時から数年間「花わさび」にはまったのです。

 ほとぼりが少しさめた頃、大学の同級会に出席。その時、津江出身の友人に再会しました。彼女が津江の出身であることはわかっていたのですが、わさびとつながっていませんでした。ところがところが、なんと彼女のご実家を継いだ弟さんが「わさび田」を経営していることがわかりました。再び私の「花わさび」熱に火がついたのです。
 この時期、花芽に辛さを集中させては根わさびの育ちが悪くなるので花芽を採ることは重要なことということも知りました。

 「わさび田」の見学と農作業(花芽摘み)の手伝いと称して「花わさび」採りに友人と二人で往復五時間をかけて通いました。手伝いどころかご迷惑をかけることの方が多かったと思うのですが、火が付いた私はしっかり「花わさび」を持ち帰り、調理して周囲におすそ分けです。往復五時間が負担になりかけてからは宅配便で届けてもらうことになりました。

 ここ数年は私の体力低下を案じた教え子から調理済みの「花わさび」が届きます。
 私のもとで例年、手作り料理持ち寄りのクラス会があるのですが、その中の一つが「花わさび」の料理です。定番の粕漬け、醤油漬け、だし漬けのほかにチーズで和えたり、長芋で和えたり新しい時代風にレシピも進化しています。私も彼女達のお土産用に海の幸を茹でたり干したり冷凍したり。今年は三月末を予定していますので、ぼちぼち海の幸作りにかからねばなりません。
 まさに海の幸、里の幸、山の幸の交換会であると同時にグルメの会なのです。「花わさび」はその象徴。例年、楽しい会の中心、話題の中心にあります。きっかけとなった「花わさび」に心より感謝です。

総合監修
  生活工房゛とうがらし˝金丸佐佑子(平成27年2月)

花ワサビ

山(林間)ワサビ(地面に茂っています) 

沢ワサビ 

ハウスワサビ

ワサビ漬け

JA大分ひたわさび部会 佐藤部会長

沢ワサビ

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