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[食 Vol.88] 日田市 / ホンモロコ」

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日田市

ホンモロコ

Vol.88
  「ホンモロコ」は日田市で生産されている淡水魚で、地下水と川の水を使って養殖されています。ホンモロコは琵琶湖の固定種でもあり、全国でも限られた地域でしか養殖されていない、珍しい魚です。

 日田市で養殖されるようになったきっかけは、日田市の休耕田の有効活用のためです。高齢化が進み休耕田が多くなった土地をなんとか活用できないかと日田市が計画することになりました。そこで、日田市と日田漁業協同組合が共同で何かよいものはないかと探し、手島勝馬組合長が滋賀県の養殖業者からホンモロコの卵を購入した平成24年に試験養殖が始まりました。

 休耕田を活用し、少ない水でも養殖できるのがホンモロコの特徴です。しかし、実際は1軒しかホンモロコの養殖には取り組まず、休耕田の活用にはなりませんでした。現在、日田漁業協同組合が養殖に取り組んでいます。

 ホンモロコは、日田市大山町にある日田漁業協同組合中間育成種苗センターにある養殖池で生産されています。採卵から孵化、育成まで一貫して行う完全養殖です。3月から5月が産卵期で、1週間で孵化します。旬の時期は11月から1月です。水揚げする前、1週間以上、地下水をかけ流し泥吐きさせ、余計な臭みを徹底して排除しています。

 水揚げ後は、高鮮度の急速冷却冷凍装置「3Dフリーザー」で急速冷凍し、販売されています。水揚げ直後のものを直ちに冷凍保存することにより、食材内部の成分に対する負担を軽くし、味の劣化や食材の目減りを最小限に抑えているため、通常の冷凍食品とは品質が大きく異なるようです。

 「内臓も含めまるごと食べることができ、特に内臓の苦みがおすすめ。身はたんぱくだが脂が多いため、塩焼きもおいしい。」と手島組合長が教えてくれました。

 年間の出荷量は200から400kgとあまり多くないため、個人への販売も多くありません。日田市内、福岡市内の料理屋、居酒屋などを中心に販売されています。

 全国でも珍しいホンモロコを是非、一度、ご賞味ください。

ホンモロコ

ホンモロコ以外にもアユなどが養殖されています

こちらの桶の中で卵を孵化させます

地下水と川の水の量を調節して適切な水温にします

ホンモロコを使った坐来大分の前菜
    -木の芽揚げ-

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