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県内各地

Vannier(ヴァニエ)

Vol.15
 国の指定する伝統的工芸品といえば、大分県では唯一「別府竹細工」があります。

 これまで、この『職』でも、「別府竹細工」の魅力をお伝えしてきました。今回、ご紹介するのは、今年の春に誕生した女性だけの職人グループ「Vannier(ヴァニエ)」です。

 「ヴァニエ」とは、フランス語で「かご職人」という意味です。女性だけの職人グループが発足した理由は、竹製品の持つしなやかなラインや温かみあふれる雰囲気を、多くの女性が好んで使用していることに注目したからです。「女性だからこそ気付くことや、感じることもある」といったシンプルな考えを大切に、女性ならではの感性を生かして、日常生活の中に溶け込み、使いやすい作品づくりを目指しています。「女性による、女性のための、女性らしい竹細工」をコンセプトに、「女性かご職人」の手によって新しい別府竹細工の挑戦が始まっています。

 これまでも独創的な作品を数多く送り出してきた別府竹細工ですが、竹細工を日常的に使用しているのは、多くが女性です。新鮮なヴァニエの作風や活動に、別府竹製品協同組合の油布理事長はじめ、他の竹細工職人も、これからの別府竹細工を盛り上げていってくれる起爆剤として期待しています。「長年の伝統とそれを使ってきた人々の信頼を守りつつも、時代の流れをつかみ、日々進化していることをヴァニエにも証明して欲しい。」そんな気持ちが周囲から感じられました。

 メンバーは現在7人で、県内各地で創作を続けています。定期的にメンバーが集まり、新しい作品や技術・知識に関する意見を交換し、より良い作品づくりや展示会を充実させるための勉強会をしています。展示会は県内外で開催しており、その精力的な活動は別府竹細工のPRに大きく貢献しています。

 ヴァニエのメンバーの作品の特徴は、彼女たちの竹に対する繊細な思いや、使う人や光景を思い描きながら、長く付き合えるものを作りたいという気持ちに表れています。
「先達の技とそれを使ってきた人々のくらしを受け継いでいきたいと思う。山や森、農と共にあることが目標。」(伊藤)
「長く付き合える品物となるよう、使う人や光景を想いながら、ひとつひとつ“やわらかい気持ち”で作り続けたい。」(森脇)
「女性である自分が、使いたい、欲しいと思う物のイメージを膨らませながら、楽しいという気持ちを込めて作品を作っている。」(大砂)
「若い人たちに使ってもらえるような可愛い作品を作りたい。」(小林)
こうした彼女たちの前向きで明るく、そして楽しく作る姿勢が作品の魅力に繋がり、また、職人になるまでの彼女たちの七人七様の経歴がその作品の個性となって表れているのが感じられます。今後の彼女たちの創作活動から目が離せません。

 以前は伝統的工芸品というと、すこし敷居が高く鑑賞の為の作品というイメージを持っていましたが、彼女たちの作品は可愛らしく、格好良く、今回、取材させていただいた私自身も、生活の中で気軽に使いたいという気持ちになりました。ぜひこの機会に、いろいろな別府竹細工を「見て」、「触れて」、あなたにピッタリの竹のあるライフスタイルをお楽しみください。

※「Vannier(ヴァニエ)」 メンバー紹介
・伊藤明日香 青竹工房 野や 097-582-1741
・大内  良子 竹のたくみ 風河(FUGA) 090-6899-8797
・大砂  友恵 工房CLOCHETTE
・小林  真弓 竹千代工房  090-7048-8365
・月足美穂子
・森   千里 工房HUTAN 097-535-8390
・森脇けい子 竹の工房ろくり 0977-25-4105

    (平成21年10月発行)

別府竹製品協同組合 女性職人グループ「ヴァニエ」
後列左から、大内さん、森脇さん、大砂さん、月足さん
前列左から小林さん、森さん、伊藤さん

ふっくら円いラインをもち、ワイン色の漆で仕上げた透かし網代の
バッグと、白竹を細かく編んだなつめ(制作:大内)

軽くしなやかで、漆掛けによって色合いに深みを増した炭化竹の
網代編みに革コサージュをあしらったバッグ(制作:月足)

漆仕上げの網代バッグと革のコサージュがアクセントの白竹の
バッグ。煤竹と他の素材を組み合わせたかんざし(制作:大砂)

普段使いを意識したバッグや盛り籠。六つ目編みによる模様を
納めたフレームは生活を彩るアイテムとして(制作:森脇)

たなごころに包みたくなる小粋な花入れ
(制作:小林)

軽くて、丈夫で、洗える、一閑張のお皿
(制作:森)

自然のままの青竹が、時間とともに飴色にかわる買い物かご(制作:伊藤)

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