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別府市

別府つげ細工

Vol.17
大分県別府市は温泉源泉総数及び温泉湧出量ともに日本一を誇る温泉のまちです。今回、ご紹介する工芸品は、このように豊かな温泉資源に恵まれた別府の湯治文化とともに栄え、別府のまちが生み出した「別府つげ細工」です。

平成21年度伝統的工芸品産業功労者褒賞を受賞された竹本英彦さん(受賞時91歳)は、18歳から「別府つげ細工」に従事し、今は、手のこによる繊細な透し彫り技術や、ハンドピースによる回転刃物彫刻技術の指導者であり、現役の職人でもあります。

竹本さんのお話によると、「別府つげ細工」の始まりは、幕末の頃まで遡ります。別府・浜脇一帯で作られていた地櫛の櫛峯への家紋の透し彫りから始まり、その後、べっ甲細工、サンゴ細工等の技術を取り入れ、回転ヤスリによる微細な彫刻、手引糸鋸による精巧な透し彫りの技術が確立されました。現在では、つげ櫛やかんざしの他にもブローチやペンダント、スプーンなどの生活用品や十二支根付など様々なものが製作されています。

竹本さんが得意とするのは、非常に繊細な細工をほどこすことができる手のこによる透し彫りです。今では、緻密な彫刻技術において、竹本さんの右に出る職人はいないと言われています。竹本さんの作品はどれも洗練されたデザインと匠の技を感じることができます。竹本さんの商品を指名される県内外の常連客も多くいらっしゃるとのことです。

90歳を超えても未だ現役で、細かな作業をこなせる人並みならぬ集中力と気力を保てる秘訣をお聞きしたところ、「親から恵まれた非常に良く見える目と頑丈な体。それと、息子が後を継いで社長として盛り上げてくれている『(有)成美屋つげ本舗』の工房で、午前中は自由に製作活動をさせてもらい、午後は別府の温泉にゆったり浸かることでしょうか」と、はにかみながら話してくださいました。他者を重んじ、礼儀正しく話されるその姿からは、長年、伝統的工芸品産業の振興に地道に貢献されてきたことからにじみ出るオーラを感じることができました。

ただ、「別府つげ細工」は技術習得に長年かかることや販売量の減少による、後継者不足の課題を抱えています。

材料となる黄楊は、「木材の中のダイヤモンド」と呼ばれるほど、極めて緻密で割れにくく、硬く、強く、耐久性が極めて高い木材です。使い込むほど艶が出て輝きを増すという特徴があります。黄楊を触らせていただくと、非常に弾力があり、どこかホッと安心できる肌触りでした。古くから櫛や印鑑の材料として愛用されている貴重な価値の高い木だということが実感できます。

竹本さんを慕う別府つげ細工職人は皆、別府つげ細工を愛し、誇りをお持ちです。これからも根強い人気を保ち続けるために、伝統技術を守っていき、使い手の皆様、一人ひとりにしっくりなじむ商品を作り続けていきたいと力強くおっしゃっています。

ぜひ皆様も大分にお越しの際は、別府温泉に浸り、別府つげ細工の櫛で髪をといてみませんか。また各地域への物産展等で伺うこともありますのでお手にとって別府つげ細工の技術の高さと温もりを感じてみてください。

○(有)成美屋つげ本舗
 代表:竹本 雅男
 住所:大分県別府市山家9組
 電話:0977−23−7280
 FAX : 0977−23−7284

「平成21年度伝統的工芸品功労者褒賞」を受賞された竹本英彦さん。

竹本さんの作業風景。

竹本さんの代表的作品、手のこによる透し彫りのつげぐし。

細かい作業が目に浮かぶ品々。

(有)成美屋つげ本舗の看板も竹本さんの手にかかれば、素晴らしい芸術作品へ。

若手別府つげ職人の作品?(小指ほどの小さな可愛らしい動物たち。)

若手別府つげ職人の作品?(別府つげ細工の帯留め)

若手別府つげ職人の作品?(六つの瓢箪(ひょうたん)からなり無病を表すブローチ。)

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