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大分|職|職人の技

豊後大野市

染工房 快

Vol.20
 大分県の南西部に位置する豊後大野市は、起伏に富み、かつ複雑な地形を活かすとともに、別府湾に注ぐ大野川水系の豊かな恵みがあり、県内屈指の畑作地帯を形成しています。また、有形、無形の地域資源に恵まれた名水、田園、観光のふるさとでもあります。今回は、そんな豊かな自然に囲まれた豊後大野市で、自然の色を巧みに操り、自分のオリジナリティを大切にした染め物を制作している染色家の辻岡 快(つじおか かい)さんを紹介します。

 辻岡さんを染め物の世界へ導いたもの、それは藍です。もともと大分県立芸術文化短期大学で日本画を専攻していた辻岡さんですが、偶然、染色の先生が藍染めをするのを見たことがきっかけでした。「本当に驚きました。藍に浸けた布を空気にさらすと、最初は黄緑色だったのが、すぐに綺麗な青色へ…。」辻岡さんは、一瞬にしてその自然の魔法ともいえる色の変化や自然が発するその独特な色彩の虜になってしまったのです。

 在学中には、時間を見つけては独学で様々な植物の染め物に挑戦してきました。「化学染料と違い、植物染料は非常にデリケートで、うまく出来たと思ったものがすぐ色あせてしまったり、扱いが非常に難しいんですよ。」と教えてくれました。

 大学卒業後は、赤色を染める染料として使われる茜が群生している豊後大野市へ移り住みました。藍の青色から茜の赤色へと辻岡さんの新たな挑戦は続きます。現在は、廃校となった小学校に工房を移し制作活動をしています。

 辻岡さんは主に「糊染め」という技法で染めていきます。布に糊をのせた部分は色が染まらず、その他の部分に色が染まることによって様々な模様を描きだします。色が浸透したら、布を蒸して水洗いを繰り返し作品が完成します。辻岡さんのこだわりはその糊や藍を一から作りあげることです。藍に関していえば、染めの世界へ自分を導いてくれた、いわば辻岡さんにとって憧れの存在。種植えから大切育てあげ、栽培したものを染料にしています。

 化学染料が溢れている現代社会において、自然染料を用いた辻岡さんの商品からは自然の柔らかさ、独特の温かさを感じることができます。その中でも辻岡さんならではの特徴はその絵柄にあります。日本の伝統的な意匠を基本に、工房の周りにある身近な自然を題材に制作しています。但し、その辻岡さんの描く自然の世界は、美しい表情ばかりではなく実際に共に生きているという証とも取れる優しい表情、強い表情、特には人間の力ではどうしようもない厳しい表情も表されています。
 
 辻岡さんは言います。「例えば、手ぬぐいの場合、汗を拭き取る働きだけでなく、そこに自分のデザインを入れることによって使う人や見る人に新たな感動を与えたい。植物がこの世界で一生懸命いろんな事を乗り越え、僕たちと一緒に生きていることを、そして自然が僕たちに無償の愛でいろんなことを教授してくれていることを自分の商品を通じて感じさせたい。」

 現在、大分県内のギャラリーを中心に活動中の辻岡さんですが、そんな力強い思いを更に伝えるために、ホームページを立ち上げ、世界を視野に商品を発信したいと制作に力を入れています。ぜひ、辻岡さんのこだわり抜いた快い品をご覧ください。

 
○お問い合わせ先
 染工房 快
住 所:〒879−6406 
     大分県豊後大野市後田5055−1 
           旧東部小学校内幼稚園
 メール:samekai@oct-net.ne.jp
 

「染工房 快」の辻岡快さん

作品名「花唐草」(手ぬぐい額)

作品名「お茶道具」(藍染め)

作品名「波間に鳳凰」(タペストリー)

作品名「夏の譜」(タペストリー)

工房は閉校となった小学校の一角

ホオズキのデッサン

藍の葉

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