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大分|触|観光情報

由布市

おもてなしの心を学ぶ旅・由布院

Vol.5
 由布岳に抱かれた雄大な自然、気持ちが晴れ渡る大きな空、きゅっと引き締まった透明感溢れる冬の空気…深呼吸ひとつ、由布院を胸いっぱいにして、坐来女性スタッフ3名の由布院研修旅行が始まりました。
 まずは由布院観光総合事務所へ。突然の訪問にも関わらず、温かいお茶と笑顔で迎えてくれた事務局長の米田さんと副長の安部さん。一昨年放送された、NHK朝の連続テレビ小説「風のハルカ」では、由布院ロケをすべてコーディネートしたのだそう。ロケに使われた絶景ポイントから、所要時間やベンチがある場所まで、丁寧なコメントと写真付きで紹介した「風のハルカ ロケ地マップ」は、視聴者でなくとも一見の価値あり!
 金鱗湖のほとり、小川のせせらぎを渡ると、大正12年に建てられた旅館「亀の井別荘」があります。「わくわくする2つの要素は“めずらしさ”と“懐かしさ”、後は提供する人の心意気。由布院と銀座では、方法は違うけれど“おもてなし”の心は同じでしょう。飯屋は舞台、勝負は食卓にありますから」という代表の中谷健太郎さん。楽しい思い出を手繰るような語り口に、中谷さんのおもてなしの精神がすうっと胸に染み込みます。併設の江戸末期の酒蔵を改築した1階には、お土産処「鍵屋」。奥にはガラス張りの調理場があり、販売しているほとんどのお菓子や惣菜、名物のおはぎは、ここで中谷さんのおばあさまのレシピから作られているのです。2階は喫茶「天井桟敷」。沈むように腰掛けられる足の低い椅子と、酒樽の蓋のテーブル、グレゴリオ聖歌が流れ、コーヒーの香りで心地よく満たされた店内は、寝入ってしまうお客様も。温故知新の空間を、時間が遊びながらたゆたう。伝統と戯れるように、そっとそこに息づいていました。
 旅館「玉の湯」は、街の一部のように柔らかく佇んでいます。遠くから泊まりにきた家族も、ちょっと寄り道しにきたカップルも、同じように包み込む温かさ。建物はすべてがバリアフリー。どんな人でも不自由のないお手洗い。客室には生き生きとした野の花と、プライバシーが計算しつくされた設計。細部まで徹底した、しかしさりげない優しさに溢れています。「当たり前のことを、当たり前にやっているだけなんです」と話す宮崎支配人。寒風の吹く中、私たちの車が見えなくなるまで見送ってくださった姿に、その言葉の真髄がありました。
 最後は、坐来の店舗もプロデュースしていただいている、山荘「無量塔」へ。中心部から塚原方面に少し車を走らせた高台にあります。ぽつぽつと建物が点在し始め、気がつけば「無量塔」という集落に入り込んでしまったという感じ。日常から非日常のトリップへ、シックな遊び心でいざなわれます。代表の藤林晃司さんに、全室離れの12部屋のうち2つを特別に見せていただきました。3人とも「新婚旅行は海外なんかよりここがいい!!」と声を揃えて大感動!自分たちだけのために空間を切り取られたような設えとおもてなしに、夢は広がるばかり…。
 それぞれの旅館の魅力がそれぞれの“人”に似ているように、由布院の街の魅力もまた、由布院の人にありました。人を、由布院を、そこで流れる時間を愛し、そしてそれを訪れた人にも感じてもらえたら―。相手を思う気持ちがおもてなしの原点なのだと、改めて気づかされる由布岳の大きな懐を、東京・銀座でも忘れることはないでしょう。

(平成19年1月発行)

銀座から大分へ。久しぶりに目にする由布岳が胸にせまります。

おもてなしの心を学びに・・・。

初めて来るのになぜか懐かしい「亀の井別荘」。

人を優しく迎えてくれる「玉の湯」
安心感に包まれます。

「無量塔」は新しいのに、温かい。
居るだけで、五感が心地よく刺激されます。

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