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  この仏の里・国東半島を、『工芸の里』として全国に情報発信しようと頑張っている工芸作家グループが『くにさき工藝衆』です。現在メンバーは13名で、それぞれ木・竹工芸、陶芸、かずら工芸、染織などの製作を行っています。宇佐神宮や国東市内の観光施設など大分県内でのグループ展開催や、福岡や東京、横浜のギャラリー、デパートへの出展、また夏休みには地域住民向けの体験工房も開催しています。 
 
  『くにさき工藝衆』会長の恒成哲三郎さんは、木に関するものなら何でも製作できる木工職人です。工房『くにさき六郷舎』の展示場に、恒成さんがデザイン・製作したテーブルや椅子などの家具をはじめ、まな板やしゃもじ、バターナイフなどの小物まで、数多くの作品が展示されていました。 
 
  木工職人になった経緯を尋ねたところ、「若い頃、5年間かけて世界約60カ国を回りました。ドイツでは、良い家具を何代にもわたり長く大切に使い続けるという文化に触れ感動し、また、旅の途中スイスで家具職人の民宿に泊まり、家具職人としての誇りの高さに感銘を受けたことが私が家具づくりの道に入るきっかけになりました。」 
 
  恒成さんは福岡県出身ですが、自らの工房を開く場所を探すために北海道から沖縄まで全国を回り、「この国東という地域に宝物を発見しました。こんなに良いところはありません。」と24年前に工房を開いたそうです。 
 
  木工の魅力は、「木は、その種類や生育場所によって素材がすべて違い、ひとくくりにできません。それぞれの木が持っている表情をどのように表現するかが難しく、非常に奥が深いものです。」、今後の目標は、「韓国など海外の工芸作家とのネットワークを作り、お互いの国で交流会や共同展示会などを開催したいと思っています。また、国東の地から情報発信を行い、工芸作家を増やして、国東が『工芸の里』になればいいなと思います。私たち工芸作家の交流が、この地域に住む人々にとっての活力や刺激になれば嬉しいです。」と目を輝かせて話されていました。 
 
  『くにさき工藝衆』では、メンバーの工房の所在地や連絡先が一目で分かる国東半島マップも製作しています。(下記に問い合わせれば、郵送してもらえるそうです。) 
  ぜひ皆様も、大分にお越しの際は、国東半島の仏の里めぐりと合わせて、工房めぐりもゆっくりと楽しんでみてはいかがでしょうか。 
 
(平成19年10月発行) 
 
●創作木工・家具工房『くにさき六郷舎』 
  大分県国東市国見町野田2097−1 
      TEL 0978−82−0748 
      FAX 0978−82−0908 
 
●『くにさき工藝衆』事務局 
  染織 かっこの工房(木村加代子) 
  大分県杵築市奈多3042−5 
      TEL・FAX 0978−63−8464 
 
								
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							恒成さんデザインの家具 
							 
							木の温もりが感じられる木工製品 
							 
							お話を伺った恒成さん。木工職人としての情熱と地域への愛着が感じられました。 
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