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[食 Vol.60] 豊後大野市 / 金ごま」

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豊後大野市

金ごま

Vol.60
 今回は、豊後大野市清川町で収穫される「金ごま」をご紹介します。

 豊後大野市は、約1 億年前の地層群を貫くマグマがつくった祖母山の美しい景観や、9万年前の阿蘇火山の巨大噴火があったからこそ生まれた滝や棚田群、井路、石橋群、磨崖仏など、巨大噴火と人々との関わりが体感できる風光明媚な地域です。本年9月には、これらの地形等を活用した自然公園「日本ジオパーク」に認定されています。

 ごまは、古くから栄養価が高い食品として利用され、エジプトの王女クレオパトラも食べていたという説もあります。
現在では、様々な料理や加工品に使用されていますが、日本で使用する99.9%が海外からの輸入に頼っています。品種は、白ごま、黒ごま、金ごまの3種類がありますが、「金ごま」の割合は、ほんの数パーセントと少なく希少性が高い「ごま」といえます。

 取材にお伺いした、有限会社清川ふるさと物産館「夢市場」店長 和田 猛(わだたけし)さんのお話では、「清川町では、地域の特産品を作るため、「夢市場」が地元農家に声をかけて、平成18年から無農薬の金ごま栽培を始めました。平成24年5月には、清川金ごま部会を設立し、生産技術や品質管理の向上に取り組んでいます。現在では、会員20名、栽培面積2ha、生産量約1.4トンと年々拡大され豊後大野市の特産になっています。」とのこと。

 金ごまについて伺うと、「特徴は、濃厚な味わいと香りです。「夢市場」では、収穫後洗って異物を取り除いただけの生の「洗い金ごま」、浸水させて発芽寸前の状態を煎った「煎り金ごま」を始め、調味料やお菓子なども販売しています。特に、ごまの香りとコクを楽しみたい方は、「洗いごま」を料理に使う必要な分だけ煎った後、すりつぶしてして使うようにお奨めしています。今後もごまの生産量の拡大は勿論のこと、消費者を交えた料理開発なども行い、地域を盛り上げて行きたい。」と力強くお話いただきました。

 和田店長を初め生産者の想いの詰まった「金ごま」を、是非「坐来大分」でご堪能ください。

■有限会社清川ふるさと物産館「夢市場」
  豊後大野市清川町砂田1574-1
    TEL:0974-35-2117
FAX:0974-35-2130


〈伝承料理研究家 金丸佐佑子さんのお話〉

 先日、待望の「ごま」が届きました。教員時代の教え子のお母様からです。もう、二十年近くなります。最近は別の教え子からも「金ごま」が届くようになりました。殆どが外国産の時代に、0.1%の国産品。それも作り手の心のこもった「ごま」です。幸せなことです。

 私は、「ごま」に恵まれてきました。幼い頃は自家用にと祖母や母が作っていましたし、その後は前述の通りです。ごまの花も、ごまに付く虫も、食卓に上るまでの仕事の煩雑さもよく分かっています。では、上手に活用してきたことでしょうと言われると、少々口が重くなりますが。プラスチック製の「ごますり器」は三十年(?)来の友。感謝の気持より手軽さが優先していたように思います。反省です。

 最近は年のせいか、丁寧にすってすっての「ごま豆腐」「ごま汁」「ごま出し」「ごま和え」にはまっています。料理する度に思うことは、「ごま」の力の凄さです。料理に「ごま」を加えることによって味はパワーアップ。「ごますり」とか「ごま化す」とか、少し、私共は悪意に満ちた言葉の使い方をしていると思いませんか。私の料理は大いに「ごま」に助けられています。味だけでなく、「ごま」周辺の花や虫、作り方、そして言葉まで話題にこと欠きません。「ごま」って凄い。感謝です。

 ここしばらくは、秋野菜や秋の魚にたっぷりの「ごま」を使いごま化す毎日になりそうです。


総合監修 生活工房゛とうがらし˝金丸佐佑子
(平成25年10月)

鞘(さや)の先端が開き、中に「金ごま」が見えます。

「夢市場」で金ごまをPRする
 和田 猛 店長

収穫前の「金ごま」の鞘。

鞘を軒下やハウスの中で1〜2週間自然乾燥させ、鞘の先端が開いたら、逆さにし振らして実を収穫します。

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