豊後大野市、竹田市
〜九州オルレ「奥豊後コース」を歩く〜 |
Vol.29 |
「オルレ」という言葉を知っていますか?これは、韓国・済州(チェジュ)島の方言で「家に帰る細い道」という意味で、トレッキングが大ブームとなっている韓国では、「済州オルレ」というハイキングコースの名称として名づけられてからは、韓国国内において広く知られるようになり、年間約200万人が参加するほどの人気を集めています。
この済州オルレの姉妹版として、平成24年3月に「九州オルレ」が誕生しました。コースは全部で4コースあり、そのうちの1つが大分県の竹田市、豊後大野市にまたがる「奥豊後コース」です。
オルレの魅力は、すべてのコースが子どもやお年寄りでも歩ける道であり、統一した標識、矢印、リボンにより地図やガイドがなくても歩けることです。
【コースのみどころ】
こぢんまりとした素朴な無人駅JR朝地駅を出発し、昔懐かしい集落を通り抜けながら、近世の城跡、歴史の道を巡ります。所要時間はゆっくり歩いて約5時間です。
(1)用作(ゆうじゃく)公園
江戸時代岡藩の筆頭家老の別荘地として親しまれました。庭園の名残として、漢字の「心」と「丹」の形をした池があります。秋には、500本以上のカエデが紅葉する様は圧巻で、多くの観光客でにぎわいます。
(2)普光寺
別名、あじさい寺とも呼ばれるお寺で、6月中旬には敷地内にたくさんのあじさいが咲き誇ります。また、岸壁に彫られた不動明王像は日本でも最大級の大きさを誇っています。
(3)十川(そうかわ)の柱状節理
柱状節理とは、マグマなどが冷え固まる際に柱状に入る亀裂のことです。九万年前に起こった阿蘇山の大爆発の際、大量の火砕流が流れ込んでできた柱状の奇岩が一帯を埋め尽くす様に目を奪われます。
(4)岡城阯
切り立った山の上に建てられた山城跡で、春は桜、秋は紅葉と四季折々で美しい姿を楽しむことができます。竹田市にゆかりのある作曲家滝廉太郎の名曲「荒城の月」は、この城跡からインスピレーションを得て作られたと言われています。
コースの終わりのJR豊後竹田駅周辺では、城下町を散策し歴史に触れたり、温泉を楽しむこともできます。オルレは、登山のような重装備でなくても、気軽に参加できるものです。奥豊後の自然豊かな風景やさわやかな空気を肌で感じながら、ゆっくり歩いてみませんか。
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