みなさん、「ジオパーク」という言葉をご存じですか? ジオパークとは“科学的に見て特別に重要な、あるいは美しい地質遺産を含む一種の自然公園”のことです。九州では、阿蘇や島原半島など自然が織りなす景観がすばらしい地域が認定されています。
そんなジオパークに先日、豊後大野市と姫島村が認定されました。県内では初めての認定で、火山活動による珍しい地形や、その地質を活用した独自の文化や歴史が育まれた地域であることが評価されたとのことです。
豊後大野市の登録名は「おおいた豊後大野ジオパーク」。ここでは、阿蘇山噴火によって造られた滝や棚田群など、巨大噴火と人々との関わりを感じることができます。中でも、勇壮な景観で有名な「原尻(はらじり)の滝」は、火砕流が冷えて固まった溶岩が造り出したもので、“東洋のナイアガラ”とも呼ばれる観光名所の一つです。また、この地域では、火砕流でできた石材で、石仏や石橋などの石造文化が培われるなど、生活に密着したジオの世界に触れることができます。
一方、姫島村の登録名は「おおいた姫島ジオパーク」。古事記や日本書紀にも登場する姫島は、7つもの火山の活動によりできた島で、国の無形重要文化財にも指定される「キツネ踊り」など独特の文化を生んだ地域です。島の西端に位置する観音崎(かんのんざき)には、高さ40メートル、東西100メートルにわたって黒曜石が露出するほか、島の周りには珍しい地形や地層があります。姫島は、瀬戸内海に浮かぶ古代ロマンに満ちた島なのです。
さぁ、ガイドブックを手に大分のジオパークへ出かけませんか? 貴重な地質遺産を通じて、スケールの大きな地球の歴史とそれによって生み出された地域に触れてください。
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